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●藤田コーディネーター

 

欧米で割安な運賃が実現していて、日本ではそれが実現していないのは、基本的にはどのような問題があるのでしょうか。

 

●太田先生

 

やはり財政というか、支え方をどう考えるかということで、バスのサービスを公共的な何か社会のインフラ的に考えるのでしょうか。営業・商業ベースのサービスとして採算性で行っていこうとかというサービスの捉え方に基本的に係ってくるのではないかと思います。

 

●藤田コーディネーター

 

國友さんはバスを実際に運行して、バスのウイークポイントというか問題点をどのようにお考えでしょうか。

 

●國友先生

 

地域社会におけるバスの評価がかなり落ちてしまったという原因としましては、ご指摘のように定時性の確保ができないということで信頼性が低下していることがあげられると思います。信頼性が回復されたらマイカーと同じサービスレベルの利便性まで上がれるかというとなかなかそうはいきませんが、先程の事例報告で申しましたとおり私どもは、ゴムの留意点というかゴムというのは非常に柔軟なものだからバスにもその思想をあてはめ、歩かせない(小さいバスを入れてできるだけドアトゥドア性に近づける)、待たせない(頻繁に運行する、デマンド系バスで呼んだら行く)、立たさない(バスストップに座るところをつくり、乗ったら交通弱者のための優先席を設ける)、登らせない(階段を登るとか駅での接続時にできるだけ上り降りさせない、低床バス等の導入、駅の改札口とバスの降り口をフラットにしたのも努力の一つである)、濡らさない(交通規制の時にバスを降りて傘を持っていない方にはバスに傘を積んでいた。バスストップには上屋を付け、駅の降り口からバスの乗り場までは屋根を付ける)という5つの留意点、そこへ情報化社会におけるいろいろな情報の伝達を入れれば、マイカーに負けているのが定時性だけなので、そちらを解決すればバスは充分蘇生していくのではないかと思います。

 

●藤田ゴーディネーター

 

バスはまだ復活の余地ありという意見でしたが、まだ需要があるということではないでしょうか。山出市長はバスのそういった問題点、それを克服するためのテーマをどのようにお考えでしょうか。

 

●山出先生

 

決まった時になかなかこない、イライラする、回数が少ない、時間が惜しい、乗換えが面倒、夏の混雑時は不快感などというのがあろうかと思います。しかし、たまにバスを乗ると知り合いと挨拶ができ世間話もできる。そのうちまちづくりについての注文がでてきたりすると、バスと

 

 

 

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